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2014年 情報コミュニケーション学部 | 明治大学

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(2)

2014

年度『教員活動成果報告書』の発刊に寄せて

情報コミュニケーション学部は2004年に開設され、本年度で10周年を迎えました。情

報コミュニケーション学は、まだ若い学問ですが、専任教員一同、その充実に向けて取り組

んでおります。

この『教員活動成果報告書』も、そうした取り組みの一環として、2008年度から発刊を

続けて参りました。その目的のもと本報告書は、次の基本ポリシーにもとづいて編集されて

います。

1. 本学部は学際性に注目した高度教養教育を実施するため、多くの研究分野から構

成されている。研究分野の多様性を認め、教員の強みを生かす活動とする。

2. 若い学問分野を追究する少人数学部である特徴を生かし、伝統的な権威主義に陥

ることのない、柔軟で機動的な試みに挑戦する。

3. 「学問の府」であることを再認識しつつ、大局観に立った長期的な活動を大切にし

ていく。

4. 情報コミュニケーション学の特徴である「学際性」を目指し、自らの研究分野に新

たな柱を築くための、研究の基盤形成作業を奨励する。

5. 報告内容には研究のみでなく教育上の取り組み、学部・大学、また地域その他の場

面での活動にも配慮し、それぞれの教員の特性を理解しあい、学部全体の向上につ

なげる。

この報告書をもとに、教員間で研究上の取り組みを理解しあい共同研究に発展させたり、

教育上の取り組みを伝授しあって授業改善につなげたりと、FD活動を推進させていけれ

ばと願っております。

また、教育・研究・行政そして社会貢献にかんして、教員の強みを認め合った分担を図っ

ていく手がかりとしたいとも思います。さらに、広く情報公開することで、学生とのコミュ

ニケーション手段としても活用できるかと存じます。

本学部の活動をご理解いただき、今後とも一層のご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願い申

し上げます。

情報コミュニケーション学部長

(3)

【記述内容の説明】

各活動報告は、氏名/略歴につづいて、全般的な報告、教育成果報告、研究成果報告、行

政業務担当報告、社会貢献の5部構成となっており、各部の記述の詳細度や分量は、各教員

によって異なる。

1)全般的な報告(1-1と1-2は必須、1-3は任意)

1-1 過去2年間について、重点を置いた点などの具体的な記載。

1-2 今後2年間にわたる予定など。

1-3 情報コミュニケーション学に向けた将来展望。

2)教育成果報告(範囲:当年度および前年度)

2-1 前年度担当授業(他大学への出講を含む)

当該授業での工夫や成果、教材の開発などがあれば記載(失敗でもよい)

2-2 当年度担当授業(他大学への出講を含む)

上と同様に、当該授業での成果があれば記載(将来に向けた改善案でもよい)

2-3 その他の教育上の取組み

大学院の論文指導、研究員の受入れなど、項目を立てて内容の概略記載

3)研究成果報告(範囲:前々年の8月1日から当年7月31日までの2年間)

研究書・一般書・訳書・編書・教科書の執筆、原著論文・書籍収録論文などの発表、解説

記事・書評・研究ノート・調査報告などの発表、学会研究発表・予稿執筆、辞書編纂、特

許出願、研究所や研究チームの運営、研究費の取得(申請)、フィールドワークなど、項

目を立てて内容の概略記載。なお、書誌事項の表記形式は自由。

4)行政業務担当報告(範囲:前々年の8月1日から当年7月31日までの2年間)

(注)活動してない場合や、入試の出題など秘匿性のある場合は含めない。

(4)

― 目 次 ―

社会システムと公共性コース

今村 哲也 ・・・・・・・・・・・・・・・1

江下 雅之 ・・・・・・・・・・・・・・10

清原 聖子 ・・・・・・・・・・・・・・14

鈴木 健人 ・・・・・・・・・・・・・・21

武田 政明 ・・・・・・・・・・・・・・25

塚原 康博 ・・・・・・・・・・・・・・29

中村 義幸 ・・・・・・・・・・・・・・34

堀口 悦子 ・・・・・・・・・・・・・・38

宮田 泰 ・・・・・・・・・・・・・・41

組織とコミュニティコース

牛尾奈緒美 ・・・・・・・・・・・・・・43

金子 邦彦 ・・・・・・・・・・・・・・50

熊田 聖 ・・・・・・・・・・・・・・54

古屋野素材 ・・・・・・・・・・・・・・58

施 利平 ・・・・・・・・・・・・・・63

竹中 克久 ・・・・・・・・・・・・・・66

冨樫 光隆 ・・・・・・・・・・・・・・71

中里 裕美 ・・・・・・・・・・・・・・72

宮本 真也 ・・・・・・・・・・・・・・76

山口 生史 ・・・・・・・・・・・・・・80

脇本竜太郎 ・・・・・・・・・・・・・・85

(5)

多文化と国際協調コース

石川

須田 努 ・・・・・・・・・・・・・・89

関口 裕昭 ・・・・・・・・・・・・・・94

髙橋 華生子・・・・・・・・・・・・・102

田中 洋美 ・・・・・・・・・・・・・106

内藤 まりこ・・・・・・・・・・・・・110

南後 由和 ・・・・・・・・・・・・・115

根橋 玲子 ・・・・・・・・・・・・・122

ハウス

,

ジェームス

C

・・・・・・・・126

細野はるみ ・・・・・・・・・・・・・131

和田 悟 ・・・・・・・・・・・・・135

メディアと環境コース

石川 幹人 ・・・・・・・・・・・・・138

岩渕 輝

小田 光康 ・・・・・・・・・・・・・145

川島 高峰 ・・・・・・・・・・・・・148

(6)

〈今村哲也〉社会システムと公共性

今村 哲也(いまむら てつや)

1976 年 6 月,東京都に生まれる。早稲田大学本庄高等学院,早稲田大学法学部卒業後,早稲

田大学大学院法学研究科修士課程,同博士後期課程研究指導終了。博士(法学・早稲田大学)。

早稲田大学大学院法学研究科客員研究助手を経て,2006 年 4 月明治大学情報コミュニケーショ ン学部専任講師に着任,2010 年 4 月同准教授。2011 年 9 月ロンドン大学クイーンメアリー校 客員研究員ビジティングスカラー,2012 年 10 月ロンドン大学高等法学研究所(IALS)ビジティ ングフェロー。

(1)全般的な報告

1-1 過去2年間の実績

(ⅰ)教育面での実績

① 講義:2013 年 9 月から 3 月まで財産と法Ⅱ及び知的財産法Ⅱを担当した。2014 年 4 月から

9 月まで情報倫理,財産と法Ⅰ及び知的財産法Ⅰを担当した。授業では配布資料を用意し, 配布した資料はウェブシステムにアップしている。成績は,試験の点数に平常点も考慮し て評価している。なお,定期試験では解答例を公表するとともに,3,4 年生の科目では, 異議申立期間を設けて,解答例に対して異議のある学生に申立ての機会を与えている。大 学院では,知的財産法Ⅰ・Ⅱを担当している。

② ゼミナール:2013 年度後期に 2 年生のゼミを開講し,アカデミック・ライティングの手法

について演習を行った。2014 年度から改めて分析ゼミナールを開講した。 (ⅱ)研究面での実績

① 権利者等不明著作物の利用の在り方に関する研究

本研究は,過年度の科学研究費補助金等で研究を行ったが,本年度も引き続き調査を行い, 論文を投稿した。文化審議会著作権法分科会で研究成果を報告する機会を得た。文化庁から委 託を受けて追加の調査を実施し,報告書を提出した。この問題は非常に重要なテーマであるが,

本年度からは,より大きなテーマの一部として,「過去のコンテンツ資産の権利処理の円滑化

と利用促進に関する総合的研究」の一部に吸収するかたちで,引き続き調査研究を行っている。 このテーマについて,14 年度から科研費の助成を受けている。

② 著作権法の権利制限規定の在り方に関する研究

この研究では,イギリスの著作権法改革をめぐる議論などを素材としながら,日本法への示 唆を獲得することを目的に実施している。研究成果の一部について論文や報告書を提出した。

③ 電子書籍の普及に向けた著作権法上の法的課題の検討

英国における出版契約の状況について調査研究を行い,研究成果について,日本知財学会コ ンテンツ・マネジメント分科会 第 22 回研究会(2014 年 2 月)の研究会で報告をした。

④ 地理的表示の保護に関する研究

(7)

社会システムと公共性〈今村哲也〉

護に関する法律(地理的表示法)が成立し、6 月 25 日に公布された。同法案成立前に,これま での研究成果を素材として,14 年 3 月に参議院農林水産委員会調査室で報告をさせていただい た。その他,同月,知的財産管理技能士会第 13 回定例研修においても,このことをテーマに

報告した。

⑤ タイ知的財産法の研究

2013 年度から 14 年度にかけて,公益財団法人村田学術振興財団の助成を得た研究(研究代 表者・高林龍教授)に基づき,その一部として,タイの知的財産紛争の状況について,タイ控 訴裁判所のジュンポン・ピノシンワット判事の協力を得ながら,調査研究を行った。14 年 6 月に開催した知財戦略セミナーにおいて,研究の一部を報告した。

⑥ 明治大学知的財産法政策研究所

知的財産法の研究・教育拠点の形成を目的として,明治大学の特定研究課題ユニットとして 2009 年 10 月に設置された明治大学知的財産法政策研究所に参加している。研究統括は,中山 信弘特任教授(明治大学研究・知財戦略機構)である。

1-2 今後2年間の予定

(ⅰ)研究面での予定

現在取り組み,かつ今後 2 年間に重点的に取り組む研究として,以下のものがある。 ① 過去のコンテンツ資産の権利処理の円滑化と利用促進に関する総合的研究

昨今,デジタル化・ネットワーク化に伴って,世界各国の図書館等の公的機関により,過去の コンテンツ資産をデジタルアーカイヴ化する等の事業が進められている。しかし,作品の著作権 者等から事前の許諾を得る作業には膨大なコストが必要であるため,文化事業を推進する場合の 障害となっている。本研究では過去のコンテンツ資産の利用推進に伴い生じる権利問題について, 外国の制度状況も調査しながら,現行制度の改善や新たな提案を行うための総合的研究を行うこ とを目的とする。具体的には,過去のコンテンツ資産の利用について,(1)その権利関係をめぐる 現状の整理,(2)諸外国の法制度の状況,(3)利用推進に向けた権利処理の円滑化方策について, 関係者への聞取り等の実態調査や諸外国の制度状況を調査し,課題解決に向けた立法論・解釈論 を展開する。

② 知的財産法と公共政策上の多元的価値との関係に関する研究

(8)

〈今村哲也〉社会システムと公共性

2014 年 2 月にネブラスカ大学オマハ校において Faculty Development Workshop for Meiji University の研修に参加した。学ぶところが多かったので,この研修の成果を授業に応用してい く予定である。

② 非法学部における法学教育の方法論の模索

本学部のような非法学部における法学教育の在り方について模索する。 ③ 学部の学際性を生かした教育

情報コミュニケーション学などの必修授業において,社会科学系の学際研究に焦点を当てた授 業を展開していく。

1-3 情報コミュニケーション学に向けた将来展望

本学部の情報コミュニケーション学は,研究面においては,教員相互の必要に応じた学際的な 共同研究の試みによって高められる部分が大きいと思われる。また,教育面においても,単に幅 広い断片的な専門・教養を与えるだけではなく,それを有機的に連関させてより総合的な理解を 獲得するための思考方法も教授しなければならないと思われる。FD などを通して,教員間におけ る情報コミュニケーション学の方法論に対する共通認識を様々に試行錯誤しながら意識的に構築 していくことが必要と思われる。

専門科目との関係では,情報コミュニケーション学の枠組みの中で,「体系性のある法学教育」

をどのように実施していくのかについて,学部内あるいはコース会議の中で検討するとともに, 本学部の法学科目担当者間のより積極的な連携が必要なのではないかと思われる。

(2)教育成果報告

2-1 前年度担当授業

1. 財産と法Ⅱ

民法の債権法にあたる部分について講義した。教科書は,松倉耕作=甲斐好文編『ビジュア ルに学ぶ財産法Ⅱ』 (嵯峨野書院,2006 年)を用いた。受講生は 10 名。試験は選択式の問題 を中心に記述式の問題も出題した。解答例を公表し,異議申立期間を設定し,教員の解答例に 疑義のある学生には異議申し立ての機会を与えた。

2. 知的財産法Ⅱ

知的財産法のうち,特許法を中心に講義を行った。教科書として,高林龍『標準特許法』(有

斐閣,第 4 版,2011 年)を使用するとともに,必要に応じてレジュメを用意した。受講生は 49 名。試験は持ち込み不可で,選択式の問題と簡単な記述式の説明問題を出した。解答例を公 表し,異議申立期間を設定し,教員の解答例に疑義のある学生には異議申し立ての機会を与え た。

3. 問題発見テーマ演習 B

(9)

社会システムと公共性〈今村哲也〉

日に実施した。レポート課題については,事前に採点の基準を明示した。

5. 知的財産権法Ⅱ(早稲田大学社会科学部)

知的財産法のうち特許法を中心に講義を実施した。

6. 著作権法研究(1)(早稲田大学大学院法学研究科)

著作権法の学び方のほか,学説・判例を中心に講義と演習を組み合わせて授業を実施した。

2-2 当年度担当授業

1. 情報倫理

授業では,村田潔編『情報倫理:インターネット時代の人と組織』(有斐閣,2004 年)を使

用している。このテキストを極力分かりやすく解説するために,自分で作成したレジュメも配 布するとともに,パワーポイントやビデオ教材も利用した。受講生は 146 名。試験は持ち込み 不可で,論述式とキーワードを記入する問題との組み合わせによって実施した。

2. 知的財産法Ⅰ

著作権法を中心に講義を行った。教科書として島並良・上野達弘・横山久芳『著作権法入門』 (有斐閣,2009 年)を使用した。また,それを補うために,自分で作成したレジュメやパワー ポイントも用いた。加えて,CRIC から資料を取り寄せて配布した。受講生は 62 名。試験は持 ち込み不可で,選択式の問題と簡単な記述式の説明問題を出した。学生に異議申立ての機会を 与えるため,試験後に解答例を公表し,一定の異議申立期間を設けた。

3. 財産と法Ⅰ

民法総則・物権の分野について講義を行った。本学部は非法学部であるため,それを意識し

て作成された教科書として,松倉耕作・甲斐好文編『ビジュアルに学ぶ財産法Ⅰ』(嵯峨野書

院,2009 年)を用いた。また,それを補うために,自分で作成したレジュメやパワーポイント も用いた。受講生は 66 名。試験は持ち込み不可で,選択式の問題と簡単な記述式の説明問題 を出した。学生に異議申立ての機会を与えるため,試験後に解答例を公表し,一定の異議申立 期間を設けた。

4. 問題発見テーマ演習 B

前年度と同じ要領で実施する予定。受講生は 15 名。

5. 財産と法Ⅱ

前年度と同じ要領で実施する予定。登録している受講生は 74 名。

6. 的財産法Ⅱ

(10)

〈今村哲也〉社会システムと公共性

た,②情報社会の的確な現状分析と諸課題の洗い出し,解決のための努力を学際的に実践する ための基礎的な能力を身につける。

10. 知的財産法Ⅰ(専門研究・大学院)

講義と演習を組み合わせて行っている。受講生の興味・関心のあるテーマに関連する論文や 教科書を素材として選び,基礎となる専門的知識と主要な論点の説明を行うとともに,学生に 報告させた。受講生は 2 名。

11. 知的財産権法Ⅱ(専門研究・大学院)

講義と演習を組み合わせて行っている。受講生の興味・関心のあるテーマに関連する論文や 教科書を素材として選び,基礎となる専門的知識と主要な論点の説明を行うとともに,学生に 報告させた。受講生は 1 名。

12. 情報コミュニケーション学入門 A(コーディネータ・中村義幸教授)

オムニバス形式の講座について「著作権と『文化』の発展」と題する講義を 2014 年 6 月 3 日に実施した。レポート課題については,事前に採点の基準を明示した。

13. 著作権法研究(1)(早稲田大学大学院法学研究科)

著作権法の学び方のほか,学説・判例を中心に講義と演習を組み合わせて授業を実施した。

14. 知的財産法1(早稲田大学社会科学部)

知的財産法のうち著作権法を中心に講義を実施した。

15. 知的財産法2(早稲田大学社会科学部)

昨年度と同様の要領で実施する。

2-3 その他の教育上の取組み

2014 年 2 月に,ネブラスカ大学オマハ校において Faculty Development Workshop for Meiji University の研修に参加した。一連のワークショップを通して,日米の教育アプローチの比較, 各人の学習スタイルに応じた教授方法,パブリック・スピーキングの基本的事項,文化横断的 環境&多文化環境での教育方法,インタラクティブな教授方法やクラスマネジメントの手法, プレゼンテーションの実践,成果発表およびフィードバックについて学んだ。

(3)研究成果報告

1. 論文:「我が国における著作権者不明等の場合の裁定制度の現状とその課題について」知

財学会誌 11 号(2014 年)・掲載決定済

(11)

社会システムと公共性〈今村哲也〉

内容:著作権者不明等の場合の裁定制度の利用実態を分析しながら,何が問題であるのか を明らかにするとともに,諸外国の関連する法制度も検討することにより,裁定制度の今 後の在り方について,論じる。

3. 論文:「イギリスにおける映画の著作物の非営利上映について」JVA REPORT163 号(2014

年 4 月)5-8 頁

内容:本稿では,ビデオソフトの利用に関して,おそらく我が国と概ね同程度の社会的状 況であると推察されるイギリスの著作権法の下で,映画の著作物の上映(特に非営利性と の関係)が,どのような取扱いがなされているのかを整理し,比較法的示唆を得ることを 目的とした。具体的には,映画の著作物に関する権利関係を概観した上で,上映権の適用 範囲と制限規定について解説しつつ,得られた若干の示唆について最後に触れた。

4. 論文:「近時のイギリスにおける著作権法改革の動向からの示唆──2011 年のハーグリー

ヴス・レヴューにおける論点を中心に──」著作権研究 38 号(2013 年 12 月)

内容:本稿では,近時のイギリスにおける著作権法改革の動向に関して,2006 年のガワー ズ・レヴューから 2011 年のハーグリーヴス・レヴューに至るまでの議論の経緯を整理し た上で,ハーグリーヴス・レヴューで示された著作権関連項目に関して,著作権ライセン スを推進するデジタル著作権取引所の創設に関する議論,孤児著作物および拡大集中許諾 制度を巡る議論,著作権制限規定に関する一連の議論を整理した。その上で,これらの議 論から得られる日本法への幾つかの示唆を示した。

5. 学説紹介:今村哲也=黒田智昭=桑原俊「2013 年学説の動向 Ⅰ著作権法」『年報知的財

産法 2013』(2013 年 12 月)100-125 頁

内容:2012 年 8 月から 2013 年 7 月までに公表された著作権に関連する論文で展開された 学説を網羅的に紹介したもの。

6. 調査研究報告書:株式会社情報通信総合研究所編『平成 24 年度文化庁委託事業 諸外国

における著作物等の利用円滑化方策に関する調査研究報告書」(2013 年 3 月)[「カナダ」,

「EU における孤児著作物指令」,「イギリス」および「イギリスのデジタル著作権取引所」

の章を担当]

(12)

〈今村哲也〉社会システムと公共性

約,版面権に関する議論について説明した。その上で,諸外国の立法例として,英国にお ける発行された版の印刷配列の保護,パブリケーション・ライツの制度,およびオースト ラリアの制度について紹介した。出版者に固有の権利を認めている立法例について,その 正当化根拠,歴史的な沿革との関係を整理するとともに,利用被許諾者(ライセンシー) に一定の訴権を付与する立法例を紹介した。以上の検討から,出版者の保有するべき権利 に関する議論に対して比較法的示唆を得た上で,出版者に対する権利保護の在るべき方法 について,一定の結論を述べている。

9. 学説紹介:安藤和宏=今村哲也「知財学説の動き-著作権法-」『年報知的財産法 2012』

(2012 年 12 月)138-158 頁

内容:2011 年 8 月から 2012 年 7 月までに公表された著作権に関連する論文で展開された 学説を網羅的に紹介したもの。

10. 博士論文:今村哲也「地理的表示の保護と地域団体商標-過渡的発現形態説を基軸として

-」(2012 年 9 月,早稲田大学)

内容:地域団体商標制度によって成立した地域団体商標制度の意義について,国際的に多 様な法的形式を有する地理的表示の保護制度の過渡的発現形態であるという考え方の下, 国際的な地理的表示保護制度の現況も踏まえて、地域団体商標制度のほかに、更なる別制 度を構築する必要性があるかどうかということを分析した。

11. 論文:今村哲也「イギリスにおける出版契約と出版者の権利について─我が国における出

版者の権利の付与に関する議論への示唆」季刊企業と法創造 33 号(2012 年 9 月)309-322 頁

内容:本稿では,英国における出版分野の最近の動向,英国における出版契約の概要,英 国独自の出版者の権利である発行された版の権利の制度,そして,現在の我が国の出版者 の権利をめぐる議論に対する示唆を述べた。

12. 学会報告:日本知財学会第 11 回年次学術研究発表会一般発表「イギリスにおけるデジタ

ル出版の現状とその法的な背景―我が国の出版産業を国際競争力あるものとするための 実効性ある対策を考えるために」(2013 年 12 月 1 日・青山学院大学)

13. 学会報告等:「著作権者不明等の場合の裁定制度の在り方について―同制度の利用実態お

よび諸外国の法制度との比較から―」東京大学著作権法等奨学研究会(JASRAC)第 43 回研 究会(2013 年 12 月 12 日・東京大学)

14. 学会報告「大量のデジタル化とオンライン・サービス」ALAI Japan 平成 25 年度研究大会

(2014 年 1 月 25 日・専修大学)

15. 学会報告等:Tetsuya Imamura,"The Emerging Legislative Discussion on New Neighboring

Rights for Publishers", Seminar - Copyright and Digital Media - the view from Japan, 20 March 2013 (Organized by: Queen Mary, University of London; Intellectual Property Law and Policy Institute (IPLPI) at Meiji University, Japan; and the Institute Of Advanced Legal Studies).

(13)

社会システムと公共性〈今村哲也〉

度科学研究費補助金(基盤研究(C)・研究分担者:安藤和宏兼任講師)

17. 研究費獲得実績:「過去のコンテンツ資産の権利処理の円滑化と利用促進に関する総合的

研究」(平成 26-28 年度科学研究費補助金(基盤研究(C)・研究代表者,研究分担者:安

藤和宏准教授(東洋大学))

(4)行政業務担当報告

4-1 学部(大学院)内業務

1. 情報コミュニケーション学部教務主任

2. 将来構想委員会委員

3. 懲戒委員会委員

4. 学部創設 10 年検証部会

5. 紀要編集委員会・FD 委員会・合同委員会(委員長)

6. 情報コミュニケーション学研究所幹事会

7. 欧米地区国際交流委員会委員

4-2 大学業務

1. 社会科学研究所運営委員会委員

2. 入学センター運営委員会委員

3. 教育開発・支援センター運営委員会委員

(5)社会貢献

5-1 学会・委員会活動

1. 著作権法学会 会員

2. 工業所有権法学会 会員

3. 日本知財学会 会員(日本知財学会第 12 回年次大会実行委員会委員)

4. 著作権情報センター 賛助会員

5. ALAI JAPAN(日本国際著作権法学会)会員

5-2 講演・講師・出演

1. 講師:知的財産管理技能士会 第 13 回定例研修(2014 年 3 月 17 日実施)「商標法の基礎か

(14)

〈今村哲也〉社会システムと公共性

3. 「国立デジタル文化情報保存センター(仮称)」設立に向けた法制化検討委員会委員【情

報提供, 調査担当】(2014 年 2 月-2014 年 3 月)

(15)

社会システムと公共性〈江下雅之〉

江下 雅之(えした まさゆき)

1959 年横浜生まれ。1983 年に東京大学理学部数学科を卒業、同年、三菱総合研究所に入社 し産業技術部に配属される。1992 年に同社を休職(94 年に退職)して渡仏し、Ecole Supérieure des Sciences Economiques et Commerciales の Mastère Spécialisé 課程、Université de Paris 1 Panthéon-Sorbonne 及び Université de Paris 3 Sorbonne Nouvelle の大学院 DEA 課程にて、 情報システム論、データベース論、コミュニケーション論等を専攻する。1999 年に帰国、2001 年に目白大学人文学部現代社会学科助教授に着任、2008 年 4 月に明治大学情報コミュニケーシ ョン学部専任准教授、2011 年 4 月より同専任教授となり現在に至る。専門は情報社会論・メデ

ィア史など。著書に、『ネットワーク社会の深層構造』(中央公論新社)、『監視カメラ社会』(講

談社)、『マンガ古本雑学ノート』(ダイヤモンド社)、訳書に『お尻のエスプリ』(共訳/リブロ

ス出版)、『メディアの近代史』(共訳/水声社)、学術誌投稿論文に「SNS における日記コミュニ

ケーションとネットワーク構造に関する研究」(情報通信学会誌第 92 号、2009)などがある。

twitter アカウントは@massa27、過去の執筆原稿、ゼミの活動記録、研究活動の一部などは個 人サイト(http://www.eshita-labo.org/)に公開している。

(1)全般的な報告

1-1 過去2年間の実績

過去一年半における研究テーマは大きく分ければ3つあげられる。 (ⅰ)女性のネットワーキング活動の構造的特徴

(ⅱ)ポスト団塊世代のライフスタイル (ⅲ)女性誌史の日仏比較研究

1点目は、女性たちが特定の目的に沿ってゆるやかに結合し活動を実践する形態を調査分析 するものである。友人関係の形成においては、性差や学歴、職業などによる差違が認められて いる。どのような環境要因がネットワーク形成にどのような形で反映されるかを明らかにする には、今後とも多くのケーススタディの積み重ねが必要である。その一環として、いわゆるギ ャルママによる互助的なネットワークの実態調査を進めている。その成果の一部は、指導した 大学院生が 2013 年度に修士論文の現状分析で活用した。

(16)

〈江下雅之〉社会システムと公共性

1-2 今後2年間の予定

女性誌史研究の土台を引き続き構築する予定である。近代の情報化において雑誌が果たした 役割は過小評価されている。インターネットの普及、モバイルデバイスの浸透により、ソーシ ャル・メディアをはじめコミュニケーションの新たな展開が注目されているのが、その流れの

原点に雑誌が位置することを、さまざまな事例から裏づけていきたいと考える。「ソーシャル・

メディアとしての雑誌」が重要な研究課題の一つである。

雑誌のなかでも女性誌は社会情勢の変化を色濃く反映してきたカテゴリである。その歴史的 展開を実証的に分析することで、雑誌に求められた社会的機能の変遷が明らかになるものと期 待される。ソーシャル・メディアとしての機能もその一つである。

2014 年度は在外研究制度を利用してフランスで研究を進める機会を得た。この間に日本では 入手が困難な雑誌を体系的に収集するとともに、フランスの同分野の研究者との交流を通じ、 フランスでの研究成果を吸収し、日本の研究成果との比較を実施したいと考えている。

また、イギリスの少女雑誌研究を行っている日本の研究グループと数年前より、在外研究か らの帰国後は、合同で「女性誌研究会」を定期的に実施する方向で調整を進めている。

1-3 情報コミュニケーション学に向けた将来展望

情報コミュニケーション学とは何なのかといった概念的な議論が重要なことは当然だが、学 部が開設してすでに 10 年が経過し、名称自体はすでにある程度の認知がなされているといっ

てよかろう。これからの段階で必要なことは、「情報コミュニケーション」という視点を通じ

ることで社会の現象をどのように語れるか、その具体的な展開を学部外に向けて繰り広げるこ と、その視点が企業のどのような業務あるいは事業と関わっているのかを学生や受験生にわか りやすく語っていくことであろう。社会現象は多様な視点から語ることが可能である。なぜこ の商品が売れるのか。なぜこの番組の視聴率が高いのか。こういう「風評」が生じたときには なぜこのような対処が効果的なのか。これらは経済学、文学、政治学などからも語れることで ある。では、情報コミュニケーションという視点からはどうなのか。こういう具体的な問題の 展開に取り組む必要があろう。

(2)教育成果報告

2-1 前年度担当授業

1. 基礎教育科目

該当科目の担当なし。

2. 講義科目

情報社会論 I および II、メディアの歴史、情報産業論、情報コミュニケーション学(消費)、

ジェンダーコミュニケーション I を担当した。

3. ゼミ科目

基礎ゼミナール、問題発見テーマ演習 A および B、問題分析ゼミナール、問題解決ゼミナー ル等を担当した。

2-2 当年度担当授業

1. 基礎ゼミナール(通年)

在外研究のため開講せず。

(17)

社会システムと公共性〈江下雅之〉

3. 問題分析ゼミナール(通年)

在外研究のためゼミ募集をせず。

4. 問題解析ゼミナール(通年)

在外研究のため前年度に前倒しで実施した。

5. 情報社会論Ⅰ・Ⅱ(前後期)

在外研究のため代講を依頼した。

6. 情報産業論(前期)

在外研究のため代講を依頼した。

7. メディアの歴史(後期)

在外研究のため代講を依頼した。

(3)研究成果報告

1. 寄稿:大法輪「つながること、つながってしまうこと」、2013 年 12 月

2. 寄稿:生活の党機関紙「リアルタイムメディアと市民社会」、2014 年 2 月

(4)行政業務担当報告

4-1 学部(大学院)内業務

1. 情報コミュニケーション学部教務主任(入試担当)

2. 教務主任(入試担当)の役職にともなう委員会委員長および委員

(5)社会貢献

5-1 学会・委員会活動

1. 情報通信学会

2. 関東社会学会

3. 社団法人日本文芸家協会

4. 日本社会学会

5-2 講演・講師・出演

(18)

〈江下雅之〉社会システムと公共性

2013 年 12 月 19 日、関西大学経済・政治研究所が主催する第 5 回公開セミナーの講師として

招かれ、「見張る社会と見守る社会」というテーマの講演を行った。

(19)

社会システムと公共性〈清原聖子〉

清原 聖子(きよはら しょうこ)

学歴

1999年3月慶応義塾大学法学部政治学科卒業

1999年4月慶応義塾大学大学院法学研究科修士課程入学 2001年3月慶応義塾大学大学院法学研究科修士課程修了 2001年4月慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程入学

2004年3月慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学 2007年7月慶応義塾大学大学院より、博士(法学)授与(課程博士) 主な職歴

2003年10月~2006年10月東京大学大学院情報学環助手(現助教) 2006年10月~2007年3月東京大学大学院情報学環特任助手(現特任助教) 2007年4月~2009年3月(株)情報通信総合研究所研究員

2009年4月~2012年3月明治大学情報コミュニケーション学部専任講師 2012年4月~明治大学情報コミュニケーション学部准教授

(兼務として、東京大学大学院情報学環客員教員(助教相当)の他、非常勤講師を慶応義塾大 学法学部、慶応義塾大学総合政策学部、慶應義塾大学法学部通信教育、中央大学総合政策学部

にて務めてきた。その他総務省情報通信審議会専門委員などを務める。)

留学歴

2005年7月~2006年3月 フルブライト博士論文研究フェロー、 ジョージタウン大学政治学部客員研究員

(1)全般的な報告

1-1 過去2年間の実績

1. インターネット時代の日米韓における選挙システムの在り方に関する比較研究(村田学術

振興財団研究助成、共同研究:研究代表者)

(20)

〈清原聖子〉社会システムと公共性

ャルメディアが普及している今日の情報社会において、選挙運動にインターネットが利用され ることによって政治社会がどのように変容していくのか、という問題を日米韓台の4か国比較 の観点から検討することを目的とする。本研究は4か国比較として新たに始めるものだが、こ れまで共同研究チームとして日米韓3か国比較研究を2009年から続けており、すでに研究 成果を2冊の本に上梓した。2013年度は公職選挙法の一部改正によりインターネット選挙 運動が解禁されたことから、これまでの研究成果がマスメディア等に関心をもたれ、その対応 に追われることがおおかった。そうした実績をもとに、これからは台湾を対象に加えることで 東アジアとアメリカとの比較研究へと発展させていく。科研費の本研究に関して、2014年 7月に台湾人研究協力者を招聘して第1回研究会を明治大学で開催した。

1-2 今後2年間の予定

今後2年間の予定については、上述の科研費研究に加えて、2014年9月から始める在外 研究中に個人研究を進めてできるだけ英語での学会発表や論文発表の機会を増やしていきた い。

1-3 情報コミュニケーション学に向けた将来展望

本学に奉職して6年目である私にとって、情報コミュニケーション学とは、既存の研究の枠 を超え、学際的に様々な分野の専門家と連携することで、研究の視野が広がり、新しい研究課 題を創発することができる様々な可能性を秘めた学問である。私はこれまでアメリカ政治を基 盤に情報通信政策の研究を行ってきたが、将来的にはその専門性を生かして、異分野の研究者 との連携による授業・研究指導に尽力したい。そういう観点から、2012年度、2013年 度情報コミュニケーション学のコーディネーターを務め、学部内のアメリカ社会に詳しい教員 と、外部の専門家や実務家をお招きして、講義を行った。

(2)教育成果報告

2-1 前年度担当授業

1. 情報政策論A(前期)

本講義では例年通り、アメリカの情報通信政策はどのように形成されるのか、その仕組みから 初学者にもわかりやすく解説し、AT&T の分割をはじめアメリカの情報通信政策の歴史を踏まえ、 最近の新しいオバマ政権の情報通信政策について、これまでとの差異や今後の展望について検討 してきた。授業内で連邦通信委員会などのホームページや YouTube の動画も利用することで、学 生にインターネットを使ってどこに行けばアメリカの情報通信政策の最新情報が入手できるの か、という点を示すように心掛けた。ゲスト・スピーカーを総務省及びグーグルからお招きし、 学生の反応はとてもよかった。本授業は、出席点、書評レポートと定期試験を総合して評価対象 とした。

2. 情報政策論B(後期)

情報政策論Aで扱ったアメリカの事例と対比的に、主に日本の情報通信政策について扱うが、

(21)

社会システムと公共性〈清原聖子〉

3. 問題発見テーマ演習A・テーマ演習B(通年)

アメリカ政治について通年開講のゼミ形式で2年生対象に行った。この学年のゼミとしては初めて の通年開講形式にしたことで、南山大学との12月のディベート大会に十分に授業時間内に準備がで き、全員で名古屋まで合宿に行き、見事に勝利することができた。全員学期末にはアメリカ政治に関 する自由レポートを書いたが、その中で1名は2年生ながら情コミジャーナルに論文が掲載される成 果をあげることができた。翌年の半期開講と比べると、やはり通年開講の効果が大きかったことを感 じた。

4. 基礎ゼミナール(通年)

2013年度は公職選挙法改正により、インターネットを使った選挙運動が解禁されるという年に 当たったせいか、当該ゼミの履修希望者がいつも以上に多く、1年生ながら大変インターネット選挙 運動や日本政治全般に関心の高い履修者が多かったのが印象的だった。前期はグループによる新聞論 調比較、後期は政治やメディアに関係するということから各自テーマ設定して一人あたり3回の報告 を経て最終レポートを執筆した。まだ1年生ということから、分量を少なめに設定したが、中には非 常に力作なレポートもあった。

5. 問題解決ゼミナール(通年)

2013年度は翌年から在外研究に決まっていたことから新規の3年の募集を停止していたため、 4年のみの駿河台開講ゼミであった。4年生だけだったが、その分卒業した OBOG がディベートや聴 講に訪れたり、合宿に参加するなど、先輩とのかかわりが続き、現役生にいい刺激になった。また、 2年生と一緒に南山大学とのディベート大会に参加した。結果は残念ながら負けてしまったが、最後 にゼミ合宿兼卒業旅行のようになり、名古屋城見学を全員でするなど楽しい仲間との時間を過ごすこ とができて良かったと思う。1月のゼミで例年行われる卒論発表会では、お忙しい中総務省の鈴木茂 樹氏にお越しいただき貴重なコメントをいただき、最後に充実した研究成果発表会を経験できたよう だ。その際1年の基礎ゼミ履修者も飛び入り参加するなど、学年を超えたゼミ活動が行われた点が2 013年度の特徴として大変良かったと思われる。卒論と思い出写真集はゼミ生の力作として、卒業 論文アルバム集にまとめられ、卒業式の日に全員に配布された。また、情コミジャーナルに2013 年度には4名掲載され、そのうち3名が佳作を受賞し、指導する側にとっても大変うれしい快挙であ った。

6. 情報コミュニケーション学(通年)

2012年度に続いて、「アメリカ社会を知る」をテーマに開講した。グループワークによるレポ

(22)

〈清原聖子〉社会システムと公共性

から初学者にもわかりやすく解説し、連邦通信委員会の誕生や AT&T の分割などアメリカの情報 通信政策の歴史から最新のオバマ政権の情報通信政策までをカバーし、何がどのように変化して きたのか、その政策的意義を検討してきた。毎年少しずつ新しいトピックを加えている。また、 毎授業内に出席票の裏にこちらが提示した質問に答えさせ、考えさせるような仕組みを使って、 学生の関心や理解度を図っているため、それに合わせてゲスト・スピーカーとも講義内容を調整 するなど工夫している。2013年度に非常に履修生の反応が良かったことから2014年度に もグーグルからゲストをお招きした。なお、本授業は、出席点、書評レポートと定期試験を総合 して評価対象とした。ただ、今年度は履修者数が前年度の2倍近くに増えて(110人)、この 出席票の裏に書いてもらうというために出席票を配布したり、回収したりの作業に困難な時もあ った。これだけ履修者が多いときは、TAがいてくれると助かっただろう。

2. 情報政策論B(春学期)

2014年度は秋から在外研究になるため、春学期に情報政策論BもAと同じ曜日に開講し た。初めての試みだったが、一気に春学期に開講したことで、両科目履修者の理解度が大きく 高まったようだ。ただ、Aを履修していない者にも配慮して時折アメリカとの比較をして、日 本の情報通信政策との違いを意識させるように心がけた。Bでは前年度に電波政策について履 修者の関心が高かったため、今年度も電波政策の実務家を総務省からお招きした。また、災害 時の情報コミュニケーションやインターネット選挙運動に対する学生の関心が高いため、新た にトピックとして追加した。本授業の評価は、出席を重視し、書評レポートと定期試験で総合 的に行った。

3. 問題発見テーマ演習A(春学期)

本年度もアメリカ政治をテーマに開講した。南山大学とのディベートを7月に行ったが、や はり前年度の通年でじっくりゼミを開講して勉強を積んだことと比べると、準備時間が足りな かったようだ。しかし、短い時間ではあったが、アメリカのメディアが分極化していると言う 話や、ディベートのテーマだった同性婚を連邦政府が認めるべきか、といったテーマなど、現 代アメリカ社会の一端を知る良い機会になったと学生たちの反応は良かった。今後の授業展開 を考えると、前年度の経験から2年のテーマ演習も通年開講のほうが良いように感じている。

4. 専門情報リテラシー「インターネットと政治」(春学期)

本年度初めて開講した科目。将来的に情報政策論に関心を持ってもらいやすいようなトピッ クを取り上げて、ディベートを行うクラスとした。たとえばネット投票を認めるべきか、電子 教科書を推進すべきか、といった課題から、情報政策論の世界に導入していくことを試みた。 ディベートそのものについては、非常に熱心に取り組む学生と、どうしてもグループ内でうま く自分を出せない学生や欠席が多い学生との差が大きくついたようだ。また、履修者の数が多 かったことが各グループの中で発言する人とほとんどしない人の差を生むことにつながったと 思われる。もう少し少人数で行えると良かっただろう。ただ、この授業の目的は与えられた課 題についてインターネットで情報収集をして、自分で論点を調べて立論を書くということがで きるようになることだったので、その目標は達成したと言える。

2-3 その他の教育上の取組み

(23)

社会システムと公共性〈清原聖子〉

インターネット・サービス・プロバイダー、総務省などを就職先として考えるよいきっかけになった というものが複数人いた。また、とりわけゼミについては、2012年度にアメリカ大使館で行われ た大統領選挙イベントに学生がボランティアスタッフとして依頼されお手伝いをした結果、感謝レタ ーを大使館から頂いたことや、2013年度は、南山大学との合同ディベートを行ったなど、活動の 幅を広げている。本を読んで知識を得るだけでなく、学生だからこそ得られる様々な外部との関わり を通じてゼミ生に自信をつけてもらいたいと思っている。そして、良い卒論をしっかり書き、情コミ

ジャーナルで表彰されることを一つのゼミの目標としており、毎年確実な成果をあげている。よって、

教育上の取り組みとしてはこれからも3、4年のゼミを中心に外部との関わりのある活動を行ってい きたいと考えており、それにはモティベーションの高い学生が入ってくることを期待している。 (参考:http://kiyoharaland.com/)

(3)研究成果報告 <著書>

1. 清原聖子、「第 1 章 ネット選挙解禁で何ができるようになるのか―2013 年公職選挙法の一部改

正で変わる日本の選挙運動」、清原聖子・前嶋和弘編著『ネット選挙が変える政治と社会―日米

韓に見る新たな「公共圏」の姿』、慶應義塾大学出版会、2013 年 9 月、1-19 頁

2. 清原聖子、「第 2 章 進化するネット選挙戦略―2012 年アメリカ大統領選挙戦を読み解く」清原

聖子・前嶋和弘編著『ネット選挙が変える政治と社会―日米韓に見る新たな「公共圏」の姿』、

慶應義塾大学出版会、2013 年 9 月、21-45 頁 <論考>

1. 清原聖子、「2014 年中間選挙に向けた電子投票の展望~海外居住者の不在者投票と有権者

登録」、東京財団論考、2014 年 3 月 20 日

(http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1250)

2. 清原聖子、「ネット選挙先進国アメリカにおけるインターネット選挙運動に関する規制の

考え方」、東京財団論考、2013 年 8 月 26 日

(http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1179 ) <解説記事>

1. 清原聖子、「ネット選挙の進化は何をもたらすのか―2012 年アメリカ大統領選挙戦を事例

(24)

〈清原聖子〉社会システムと公共性

日本政治学会 2013 年度研究大会、北海学園大学、2013 年 9 月 15 日

4. 清原聖子、「2012 年アメリカ大統領選挙におけるメディア・インターネット戦略」アメリ

カ学会第 47 回年次大会分科会、東京外国語大学、2013 年 6 月 2 日

5. 清原聖子、「2012 年米国大統領選挙・共和党予備選挙に見られる新しい情報技術の活用と

草の根運動―日本におけるネット選挙解禁議論との比較の視座から―」韓国日本学会第 1 回国際学術大会・日本政経社会学会、ソウル、淑明女子大学、2012 年 8 月 24 日

<研究費獲得実績>

1. 科学研究費補助金若手研究(B)(研究課題番号 22700261)研究課題「現代アメリカにおけ

るテレコミュニケーション規制改革メカニズムに関する実証的研究」(個人研究)(2010 年

4 月~2013 年 3 月)

2. 村田学術振興財団研究助成研究課題「インターネット時代の日米韓における選挙システム

の在り方に関する比較研究-ネット選挙から電子投票へ」(共同研究:研究代表者)(2013

年 7 月~2014 年 6 月)

3. 科学研究費補助金基盤研究(B)(研究課題番号 26282104)研究課題「インターネット選挙

運動に関する日米韓台比較研究」(共同研究:研究代表者)(2014 年 4 月~2017 年 3 月予定)

(4)行政業務担当報告

4-1 学部(大学院)内業務

1. 情コミジャーナル編集委員(2012 年度、2013 年度)

2. 紀要編集委員会・FD 担当委員会(2012 年度、2013 年度)

3. 将来計画委員会・卒論単位化 WG(2014 年度春学期)

4-2 大学業務

1. 社会連携促進知財本部会議委員(2012 年度、2013 年度、2014 年度春学期)

2. 国庫助成推進委員会委員(2012 年度、2013 年度)

(5)社会貢献

5-1 学会・委員会活動

1. 情報通信学会会員・同学会情報社会システム研究会主査(2012 年度、2013 年度、2014 年

度)

2. アメリカ学会会員・編集委員会委員(2012 年度~2014 年度 7 月まで)

3. 日本政治学会員

4. 日本比較政治学会会員

5. 日本社会情報学会会員・評議員(2013 年度、2014 年度)

6. 慶應法学会会員

7. 日本マス・コミュニケーション学会会員

5-2 講演・講師・出演

1. 読売新聞、取材、2014 年 1 月 27 日コメント掲載

2. 慶應塾生新聞、取材、2013 年 10 月 18 日コメント掲載

(25)

社会システムと公共性〈清原聖子〉

4. 北海道新聞、取材、2013 年 7 月 24 日コメント掲載

5. 毎日新聞夕刊、「座談会」、2013 年 7 月 9 日掲載

6. 朝日デジタルニュース、取材、2013 年 6 月 26 日コメント掲載

(http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201306250520.html)

7. 読売新聞、取材、2013 年 5 月 13 日コメント掲載

8. 公明新聞、取材「土曜特集」、2013 年 5 月 4 日コメント掲載

9. American University Washington College of Law・講演(招待)、2013 年 3 月 19 日

10. 共同通信 取材、2013 年 3 月 15 日、2013 年 3 月 31 日地方紙に掲載

11. フジテレビ「知りたがり!」VTR 出演、2013 年 3 月 1 日

12. 朝日新聞 取材、2013 年 2 月 23 日コメント掲載

13. テレビ朝日 「報道ステーション」取材、2013 年 2 月 19 日収録、2013 年 3 月 19 日放送

14. NHK ラジオ第一「私も一言!夕方ニュース」出演、2013 年 2 月 15 日

15. 産経新聞「オピニオン 金曜討論」取材、2013 年 1 月 18 日掲載

16. NHK 「Newsweb24」出演、2012 年 12 月 21 日

17. アメリカ大使館 2012 年米国大統領選挙イベント講演、2012 年 11 月 7 日

5-3 その他の社会貢献

1. 総務省情報通信審議会専門委員

2. 一般財団法人情報通信振興会(旧電気通信振興会)・理事

3. 国際大学グローコム客員研究員

(26)

〈鈴木健人〉社会システムと公共性

鈴木 健人(すずき たけと)

1958 年東京生まれ。学習院大学法学部政治学科卒業。同大学院政治学研究科政治学専攻博士 前期課程修了。同後期課程単位取得満期退学。この間、1988 年から 1990 年までシカゴ大学政治 学大学院に学ぶ。広島市立大学国際学部助手、同講師、同助教授、同准教授を経て、2009 年 4

月より明治大学情報コミュニケーション学部に赴任。博士(政治学)。広島修道大学、北九州市

立大学等で非常勤講師。

著書に『問題解決のコミュニケーション:学際的アプローチ』(共編著)(白桃書房、2012 年)、

『国際関係論と歴史学の間で:斉藤孝の人と学問』(共著)(彩流社、2012 年)、『現代アジアの

変化と連続性』(共著)(広島市立大学国際学部現代アジア研究会編)(彩流社、2008 年)、『「封

じ込め」構想と米国世界戦略――ジョージ・F・ケナンの思想と行動、1931 年~1952 年――』

(単著)(渓水社、2002 年)、『二十世紀政治史の諸問題』(共著)(斉藤孝編)(彩流社、1997 年)

など。論文に “The Necessity of Political Settlement: George F. Kennan’s Strategic Thought

and U. S. War Objectives against the Soviet Union in the early Cold War” (『同志社アメリカ

研究』第 43 号、2007 年)、「ケナンの『封じ込め』構想とドイツ問題――分割か統一か 1946 年

‐1948 年――」(『中・四国アメリカ学会』第 2 号、2005 年)など。また翻訳として『冷戦――

その歴史と問題点――』(河合秀和氏との共訳)(彩流社、2007 年)(John Lewis Gaddis, The Cold

War: A New History, Penguin, 2005 の翻訳)などがある。

(1)全般的な報告

1-1 過去2年間の実績

科研費により 1950 年以降の米国の世界戦略、特に核兵器を中心とする軍事戦略、同盟形成に

よる外交戦略、第三世界での英国の権益の継承、などの点に焦点を当てて研究を進め『情報コミ

ュニケーション学研究』に成果論文を発表する予定。海外出張により英国立公文書館および、米

国立公文書館などで史料を収集している。また、すでに発表したジョージ・F・ケナン論(『「封

じ込め」構想と米国世界戦略』渓水社、2002 年)のなかで検証できなかったテーマである、ド

イツにおける兵力引き離し構想、日本の復興と東南アジアとの関連などを明らかにしつつある。

国際関係論の理論については、ウェントの『国際政治の社会理論』に基づいて構成主義の国際

政治理論を研究中。人間集団が分かち持つ「観念」を、認識論ではなく実体論として把握し、国

家のアイデンティティなどの「観念」が国際社会の現実を構成するところに魅かれている。これ

とウォルツ的なホーリスティックな新現実主義の理論とをどのように総合するのかを研究中。

またオバマ政権の核政策についても研究を進め、その成果の一部は既に学会で報告され(「オ

バマと核軍縮」、アメリカ学会、大阪大学千里キャンパス、2010 年 6 月、「現代アメリカ政治」

分科会における報告)、また、『明治大学社会科学研究所紀要』第 52 巻第 1 号に成果論文「『核の

ない世界』は実現可能か? オバマと核軍縮」を発表した。

政経学部の伊藤教授、東京女子大学の湯浅教授や若手研究者とともに、東アジアにおける中国

(27)

社会システムと公共性〈鈴木健人〉

1-2 今後2年間の予定

科研費による米国の世界戦略について論文をまとめるとともに、できるだけ早く全体的な成

果をまとめる予定である。また、ケナン論の研究成果をまとめ増補改訂版を出版するべく努力

している。構成主義の国際政治理論について出来るだけ早く一定の研究成果をあげて発表した

い。アメリカ合衆国の外交政策については、オバマ後も見すえて、アメリカの世界的影響力の

低下が進むのか注目していきたい。中国台頭の軍事的意味、とりわけ海洋進出について、明治

大学社会科学研究所の総合研究(研究代表者)で、研究を進めて行く。

1-3 情報コミュニケーション学に向けた将来展望

構成主義の国際政治理論では、人間集団が分かち持つ「観念」も、領土や軍事力と同様に国

際政治の現実を構成するとしている。この意味で、情報とコミュニケーションのあり方が国際

社会全体の現実を作り出しているとも言える。『想像の共同体』は国家だけでなく国際関係に

おいても一定の意義を持つと考えられる。

核抑止理論では、自国の能力と意図とについて、潜在敵国にたいして間違いのない情報を伝

える必要があり、コミュニケーションが成立し機能しなければ抑止力そのものが機能しない。

敵対関係にある国家(群)同士が、どのようにして円滑なコミュニケーションを行うのかを探

求することは学問的にも興味深い。

(2)教育成果報告

2-1 前年度担当授業

1. 「国際関係論Ⅰ」(前期)

国際関係論の基本的歴史や概念を講義して、国際社会を見る目を養うよう指導した。また情報

コミュニケーション学の視点から、抑止などの権力関係を関係国相互のコミュニケーションの問

題として捉えることができる点を指摘している。

2. 「国際関係論Ⅱ」(後期)

国際関係論の諸理論を講義し、理論的な見方ができるように指導した。

3. 「問題発見ゼミナール A」(前期)

国際関係論についての基本的文献と古典を読み、国際関係史の概容を学ぶとともに、戦争と平

(28)

〈鈴木健人〉社会システムと公共性

7. 「情報コミュニケーション学入門 C」

国際関係史の基礎的知識を講義した。

2-2 当年度担当授業

1. 「国際関係論 I」(春学期)

国際関係論の基本的歴史や重要な概念を講義して、国際社会を見る目を養うよう指導した。「国

際関係論 II」の学習の準備段階として重要な問題を解説するよう努めた。

2. 「国際関係論 II」(秋学期)

「国際関係論 I」の内容を前提にし、やや難解な理論について講義した。情報コミュニケーショ

ン学の視点から、抑止などの権力関係を関係国相互のコミュニケーションの問題として捉えるこ

とができる点を指摘している。

3. 「問題分析ゼミナール」(春・秋学期)

国際関係論の基礎を学んだ後、グループ研究を進めて発表してもらうようにしている。欧州統

合、環境問題、日本の領土問題、日米関係など、広い範囲にわたって研究をしてもらい、その成

果に基づいて議論をした。

4. 「問題解決ゼミナール」(通年)

個人研究やグループ研究を基にして、卒論にまとめるよう指導している。

5. 「情報コミュニケーション学入門 A」

国際関係論における構成主義の理論を簡単に紹介し、情報コミュニケーション学の入門とした。

6. 「情報コミュニケーション学入門 C」

西欧国家体系の成立について解説し、入門とした。

2-3 その他の教育上の取組み

夏季休業中に実施した合宿には、問題分析ゼミに参加している 3 年生、問題解決ゼミに参加し

ている 4 年生をともに参加させ、学年の枠を超えて議論をし、交流を深めた。3 年生はゼミ大会に

挑戦するよう指導し、4 年生には卒業論文について指導して、一定の成果を収めた。

(3)研究成果報告

1. 論文「冷戦初期米英の世界戦略と軍事力の役割:NSC-68 と GSP-1950 に関する比較研究」、

『情報コミュニケーション学研究』第 15 号、2014 年、掲載予定。

2. 論文「『核のない世界』は実現可能か?オバマと核軍縮」、『明治大学社会科学研究所紀要』

第 52 巻第 1 号、2013 年、153‐170 頁。(査読有)

3. 史料翻訳と解説 歴史学研究会編『世界史史料 第 11 巻 20 世紀の世界Ⅱ』(岩波書店、

2012 年、61-63 頁、65-68 頁。)

(4)行政業務担当報告

4-1 学部(大学院)内業務

1. ジェンダーセンター運営委員会(2010 年度-)

(29)

社会システムと公共性〈鈴木健人〉

2. 教務主任(2013 年度―)

学部運営全般にわたって学部長・他の教務主任と協力しつつ推進している。

3. 将来構想委員会委員(2014 年度-)

学部の将来構想について意見を述べている。

4. 広報委員会委員

学部の広報について意見を交換している。

4-2 大学業務

1. 社会科学研究所運営委員会委員(2011 年度-2012 年度、2013 年度-)

社会科学研究所の運営について意見を述べている。また研究費の申請などを審査している。

2. 教務主任(2013 年度-)

全学の教務部委員会に出席し、学部代表として意見を述べる。

3. 広報センター委員(2013 年度-)

大学広報について意見を述べている。

4. 大学入試センター委員(2013 年度-)

入試全般にわたって意見の交換・調整を行なっている。

5. スポーツ特別入試委員会委員(2013 年度-)

スポーツ特別入試について、その運営と検討を行なう。

6. 国庫助成推進委員会委員(2014 年度-)

国庫助成のあり方について意見を述べている。

(5)社会貢献

5-1 学会・委員会活動

1. 日本国際政治学会

2. 日本政治学会

3. 日本西洋史学会

4. 歴史学研究会

5. 国際安全保障学会

(30)

〈武田政明〉社会システムと公共性

武田 政明(たけだ まさあき)

1952年神奈川県川崎市に生まれる。1976年明治大学法学部法律学科卒業。1981

年明治大学大学院法学研究科民事法学専攻博士後期課程単位取得満期退学。同年明治大学短期

大学法律科助手。以後同短期大学専任講師、助教授を経て、現在、明治大学情報コミュニケー

ション学部准教授。

(1)全般的な報告

1-1 過去2年間の実績

男女、夫婦、親子、親族等の関係において生ずる家族法が解決の重要部分をしめる問題点に

ついて研究してきている。特に、社会において家族法に期待される機能の変遷が当該問題解決

に大きな影響を与える問題点に重きを置いて、家族法条文上は大きく改正されないままに、そ

の変遷が条文の解釈に反映され、司法上の解決の結論が大きく変わることとなった問題点につ

いて研究している。この研究方針から、無戸籍児の問題が現代社会に提示する国の基本制度に

対する構成の前提理念の変更に関する問題について研究している。

1-2 今後2年間の予定

過去2年間の実績で示した研究の基本を継続する。我が国の家族法と密接な関係を有する国

が定める戸籍制度や児童福祉に関する諸制度等について、その制度構成の基本構造を決定する

前提理念の変更の必要性に関わる諸問題を研究する予定である。

1-3 情報コミュニケーション学に向けた将来展望

現実社会に暮らしている人々が、平穏に安心してのびのびと和やかに暮らせる社会の構築の

ために必須となる可能な具体的提言を目指して、たくさんの学問領域から重層複合的に地道に

研究することの集積が、結果として情報コミュニケーション学という新しい学問の確立に資す

ることになると考えている。したがって、このような研究成果を集積することに傾注する。研

究の基本に新たなこのような視座をおくならば、研究成果は必然的に多方面からバランスよく

人々の現実生活に資することになるので、情報コミュニケーション学という学問の定義や意義

付けについて、特に意識して研究を進める必要はあまりないと考えている。

また、研究対象が属する学問・学系領域についても、全ての問題はあらゆる学問・学系領域

と重層複合的に関わりを有して研究することによって実際生活において大きな意味を有する

と考えている。したがって、研究の成果を社会において効率よく生かせるという研究の社会に

おける貢献度という観点からは、このように研究することこそが、本来の研究の通常の姿であ

ると認識している。そのため、当該の研究テーマが、従来の観点からの所属領域や学問体系上

の辺縁や中心にあるか、すなわち既存の分類による学問領域の中心に位置するか学際領域に位

置するか等は、研究成果の社会貢献度とは直接の関係は見出せないと考えている。情報コミュ

ニケーション学による研究は、その研究対象問題の解析に必要な限り、力量の限界には制約さ

れるが、あらかじめの学問領域に拘束されることなく可能とする限りあらゆる領域からを研究

参照

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